2024.07.01Category: CONTENTSTags:無料

子どもの逆上がり 成功のコツとは? その1『肘を伸ばす!』

 逆上がりって子どもの時に最初に立ちはだかる課題であり、成功のために努力するものの1つだと思います。逆上がりを成功させるためのコツってあるのかな?と、大人になって改めて考えてみてもそう感じる人は多いのではないでしょうか。

 子どもの頃の逆上がりって成功すると達成感がものすごく高い運動の1つですよね。そのために努力もするし、最初にできるようになったらそれだけでヒーロー扱い!

 そんな逆上がりにはコツがあるのですが、今回は逆上がりについての研究論文も踏まえてまとめていきます。

結論から言うと逆上がりの成功へのコツは、

・肘を伸ばす

ことです。もちろんずっと伸ばす、というわけではありません。『肘は曲げるのでは・・・?』と思っている人もいるかと思います。もちろん間違いではありません。ではどういうことなのか、今回はそこを整理して、みなさんが逆上がり成功へのコツを掴めるようにしたいと思います。

今回はそのコツを紹介し、次回のその2では逆上がり成功のためのトレーニングを紹介していきます!

【肘を伸ばすとは?】


 皆さんの中にも逆上がりを教わった時に、『肘を曲げて』と言われた人は多いでしょう。もちろん、肘を曲げるタイミングはありますが、重要なのは頭が下になって身体が逆立ちのような状態まで回転した時です。この時に重要なコツが『肘を伸ばす』ことです。さらに足も真っすぐに伸び、逆立ちのような姿勢になっているかがコツとなります。いわゆる逆懸垂の姿勢です。
 逆懸垂というのは鉄棒を掴んで頭部が下、足が空に向いた逆立ちのような鉄棒をつかった逆立ちのような姿勢です。

【肘を伸ばすとどうなるのか?】

 記事の最後に載せている参考文献をご覧になるとわかりますが、鉄棒が上手くいかない時は、一連の動作の中で肘がずっと曲がっています。もちろん、肘が曲がっていても成功する時はありますが、逆上がりは回転力がないと成功しません

 では、肘を伸ばすとはどういうことか。私の考えも取り入れて解説していきます。

 逆上がりを成功させるコツとして肘を伸ばすことが大切です。これにより回転力も確保することができます。その理由が2つあります。

 ●1つ目:重心の位置が鉄棒に近づくため回転しやすくなる

 ●2つ目:肘と足が伸びることで回転力が大きくなる

それぞれどういうことなのか、補足をしていきましょう。

●重心の位置が鉄棒に近づくと回転しやすくなる

 人間の重心はお臍の下あたりにあると言われています。骨盤の仙骨という骨の少し前方です。丹田(たんでん)という言葉が使われることもありますが、同じ部分を指すことが多いです。

 鉄棒の周囲を身体が回転していくのが逆上がりですので、重心の位置が鉄棒から遠ければ遠いほど回転しづらくなりますよね。

 例えば、上記の写真のように肘を伸ばすことでお臍の当たりが鉄棒にくっついていますよね。それに対して肘が曲がると胸のあたりは鉄棒に近いのですが重心の位置は鉄棒から遠いところにあるので回転しづらくなっています。ちょうど下記のイラストのような状態になります。

●肘と足が伸びることで回転力が大きくなる

 フィギュアスケートのスピンをイメージしてほしいのですが、回転力を生み出すためにスケートの選手は両手や足を重心から遠ざけて、遠心力を利用して回転力を大きくしていきます。

 そして、十分な回転力が生まれると広げていた手足を重心に近づけます。こうすることでスピンはどんどん速くなっていきますよね。これと同じことです。

 足で蹴り上げた力が弱くなる逆懸垂に近づくときに、肘が伸びて足も伸びる姿勢がとれれば、止まりかけている回転力をさらに生むという効果があるわけです。

 ですので、肘を曲げること自体が悪い事では無く曲げるタイミング、伸ばすタイミングが重要になってきます。

 

神戸トレーナー

肘を伸ばす、曲げるに捉われがちになりますが、『重心の位置を鉄棒に近づけて回る』ということが最重要ポイントですね!

 

【なぜ肘を曲げると言われるようになったのか】

 これは多くの指導者がそう教わってきたからだと思われます。参考文献の資料にも保育者を目指す大学生に質問すると、ほとんどの学生が肘を曲げて行うと教わってきた、という結果があったようです。

 教わったというだけでなく、指導に必要な資料のイラストなどのイメージも無意識のうちに偏った情報を与えていたかもしれません。そういった資料のイラストでも、例えば上記のような肘の曲がったものがあるようで、その影響で『肘を曲げて教わった』という認識を持つ人も多いし、そう指導する指導者も多いようです。

 次回は、逆上がりを成功に導くためのトレーニング(練習)について紹介していきます!

筋トレするならBody Design Studio ASK

 

  • 参考文献

淑徳大学短期大学部研究紀要第57号(2017.11)

保育者による「逆上がり」の理解と 幼児への援助についての一考察

― 肘関節の屈曲・伸展動作に注目して ―

中西一弘

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