2025.07.22Category: CONTENTSTags:小学生無料
子どもの足が遅いのはなぜ?成長段階別に見る原因と対策

子どもの運動能力に不安を抱える保護者にとって、「なぜうちの子は足が遅いのだろう」という疑問は切実な悩みでしょう。運動会のかけっこで最後になってしまう我が子を見て、心配になる気持ちは当然のことです。
実は、足が遅い小学生の原因は明確にあります。走るフォーム、成長段階での体の使い方、苦手意識の3つが主な要因です。そして、これらには必ず適切な対策があります。
この記事では、足が遅い原因を詳しく解説し、家庭でできる具体的な対策もご紹介します。正しい知識を身につけることで、お子さんの運動能力向上をサポートできるようになるでしょう。
目次
1.足が遅い小学生に共通する主な原因
◎走るフォームの問題が最大の原因
足が遅い小学生の約7割は、走るフォームに問題を抱えています。例えば、腕を大きく振れずに体の前で小刻みに動かすケースがあります。また、つま先で地面を蹴るのではなく足裏全体でペタペタ走る子どもも多いです。さらに、頭が下がって視線が足元に向いてしまう子どもも少なくありません。
一方、正しいフォームでは腕を前後に大きく振ります。そして、つま先で地面を蹴って推進力を生み出すことが重要です。体の軸をまっすぐ保ち、視線を前方に向けることで、無駄な力を使わずに効率よく走れます。つまり、正しい体の使い方を身につければ、筋力に頼らずともスピードアップが可能になるのです。
◎筋力・体幹・バランス感覚の未発達
小学生の段階では、まだ筋力や体幹が十分に発達していません。片足で10秒間立てない子どもは珍しくありません。また、走っている最中にふらつく子どもも多く見られます。これらはバランス感覚の未熟さが原因です。
![]() 鈴木トレーナー |
特に体幹の筋力が弱いと、走る際の姿勢が安定しません。その結果、左右にブレてしまいがちです。これにより足の回転が遅くなったり、一歩の幅が小さくなったりする現象が起こります。さらに、股関節周りの筋力不足により、足を高く上げることができません。そのため、歩くような走り方になってしまう子どももいます。 |
◎運動機会の不足による苦手意識の形成
現代の小学生は、全力で走る機会が大幅に減少しています。昔のように空き地で鬼ごっこをする環境が少なくなりました。また、友達と競争する機会も減っています。その結果、走ることへの苦手意識が生まれやすくなりました。
実際に、室内遊びが中心になった影響も大きいです。外で体を動かす時間が1日30分以下という子どもも増えています。さらに、「どうせ遅い」という思い込みが強くなると問題が深刻化します。体育の授業でも本気で走らなくなり、さらに運動を避けるという悪循環に陥ってしまいます。
2.成長段階別に見る特徴と課題
☑低学年(1〜2年生)の課題
低学年の小学生は、筋力・体幹がまだ弱い時期にあります。そのため、フォームが安定しづらいのが特徴です。まっすぐ走っているつもりでも蛇行してしまうことが珍しくありません。また、腕と足のタイミングがバラバラになることもよくあります。中には、右手と右足が同時に前に出る「なんば走り」をする子どもも見られます。
したがって、この成長段階では技術的な指導よりも重要なことがあります。それは基礎的な体の使い方を楽しく学ぶことです。遊びを通じて体を動かす喜びを知ることが、将来の運動能力向上の土台となります。
☑中学年(3〜4年生)での定着期
中学年になると体の各部分の制御が発達します。しかし、間違った体の使い方のクセが強くなる場合があります。例えば、左右の腕の振りが非対称になる傾向が見られます。また、歩幅が極端に小さくなる子どももいます。
一方で、この時期は友達との競争意識が芽生えます。ところが、負けることへの不安から本気で走らない子どもも出てきます。そこで、この成長段階では正しいフォームを意識的に身につけることが大切です。悪いクセを早期に修正することも重要になってきます。
☑高学年(5〜6年生)の急成長期
高学年の小学生は骨格の急激な成長により、筋力とのバランスが崩れることがあります。身長が10cm以上伸びる子どもも多く、手足が長くなります。しかし、筋力が追いついていない状態になりがちです。実際に、これまで上手に走れていた子どもが、急に動きがぎこちなくなることもあります。
また、この時期は一時的に動きがぎこちなくなることも珍しくありません。膝や踵の成長痛、シンスプリントなどの故障も起こりやすい時期です。したがって、この時期は無理をせず、体の変化に合わせた運動量の調整が必要でしょう。
3.家庭でできる具体的対策
★正しいフォームの確認と練習
まず、室内でできることから始めます。リビングで腕の振り方を鏡の前で練習したり、廊下で足の運び方をスローモーションで確認したりできます。ポイントを一つずつ覚えていくことが重要です。腕は肘を90度に曲げて前後に振る、着地は足の指の付け根あたりで行うなどです。
週末には近所の公園で実際に走りながら練習します。「肘を90度に曲げて」「顔を上げて前を見て」「大きく腕を振って」と声をかけることが効果的です。動画撮影をして後で一緒に確認することで、客観的にフォームをチェックできるでしょう。
★バランス感覚と体幹を鍛える遊び
日常に楽しい運動を取り入れることが大切です。片足ケンケンで10m進んだり、目を閉じて片足立ちを30秒キープしたりする遊びがおすすめです。また、バランスボードやクッションの上で立つ練習も効果的です。
![]() 青島トレーナー |
さらに、体幹を鍛える遊びも有効です。四つん這いになって対角線上の手と足を上げる「バードドッグ」があります。また、仰向けで膝を胸に引き寄せる「ニートゥチェスト」、プランクポーズなども良いでしょう。これらの運動は1日10分程度でも継続することで効果が現れます。 |
★全力で走る機会を増やす
日常生活の中で走る機会を増やすことが重要です。近所の公園で親子一緒に鬼ごっこをするのも良いでしょう。また、30m程度の短い距離でダッシュを3〜5本繰り返すことも効果的です。
毎日でなくても、2〜3日に1回は全力で走る経験を積むことが大切です。そうすることで、自然と走力が向上していきます。ただし、膝や踵に痛みがある場合は無理をしてはいけません。
4.保護者はどうサポートする?
◎成長段階の個人差を理解する
子どもの成長には大きな個人差があります。同じ学年でも身長差が20cm以上あることは珍しくありません。また、運動神経の発達に1〜2年の差があることもよくあります。特に、早生まれの子どもは体格面で不利になることもあります。
したがって、隣の子と比較するのではなく、その子なりの成長ペースに合わせたサポートを心がけることが大切です。焦らず見守る姿勢が、子どもの健やかな成長を支えます。
◎「楽しさ」を重視したアプローチ
タイムの向上や技術的な完璧さだけでなく、子どもが楽しく体を動かせるようにサポートすることが最も重要です。「今日は笑顔で走れたね」「汗をかくまで一生懸命走ったね」「最後まで頑張れたね」といった過程を認める声かけを心がけてください。
また、結果よりも努力や姿勢を褒めることで、子どものモチベーションを育てることができます。友達と競争するよりも、昨日の自分と比較することの大切さを伝えていきましょう。
まとめ
足が遅い小学生の原因は、主に走るフォームの問題、成長段階での体の使い方の未熟さ、運動への苦手意識の3つに集約されます。これらの原因は相互に関連し合っており、一つの要因が他の要因に影響を与えることも少なくありません。
しかし、適切なサポートと継続的な取り組みにより確実に改善が期待できます。最も重要なことは、子どもの成長段階を正しく理解し、焦らずに見守りながら、楽しく体を動かす機会を提供することです。運動能力の向上には時間がかかりますが、諦めずに継続することで必ず成果が現れます。
正しい知識と愛情あるサポートにより、お子さんの運動能力は必ず向上していくのです。
トレーニングについてお悩みのことがあれば、小学生からでも体験を受け付けておりますので、ぜひご連絡ください!
- あわせて読みたい